私は同じことをできますか?

 

きっとできてしまうんだ。

自分が見上げる時は大声をあげて泣き喚くけど

見下ろす時は上の空。

 

優しすぎるなんて1番違う

 

本当は今すぐ全部やりたいようにやって

仕事もなにもできなくなって

またあの時みたいに。

 

1番下に落ちて、上だけ見て泣き喚いて、

拾ってもらいたいだけなんだ。

 

傷ついた事実は消えないし

恨み嫉みは抱き抱えて行く

 

本人の目に入ったところで

その心は微塵も動かない

 

過去は事実なのに

過去を過去としか見えない目には

今の私は映らない。

 

どれだけ心も体と時間で寄り添っても

あなたは他の支えがあるから

削られるのは私だけ

 

削られて歪な私は誰にも見えない

どこの誰にも見えなくて

事実も過去とだけにされて

忘れ去られて

 

生きなきゃいけないなんて

険しくて汚い道を

泣きながら毎日ゆっくり歩いている

 

足を取られ泣き喚いても

他に道を探さずに

 

きっと分かれ道は沢山あるけど

見向きもせず毎日毎日通り過ぎている

 

片足を上げるのもやっとなのに

この道を行くことをやめられない

 

それも違うというのなら

もとからそうしていればいい

そうしなかった貴方を恨む

そんな力ばかり一歩一歩のうちに培い

道はさらにぬかるむ

 

立ち止まったらどうなるのだろう

どこまで沈み

いつ息が止まるだろう

 

本当は今すぐそうしたい

本当は今すぐ奥底に 一瞬で

 

きっと膝までで底がつき

その程度ならどうにかなると

言われるに違いない

 

そうならないには

足を止めないことだ

 

ハズレと間違いは違う

思い出して書く。

 

帰り道楽しく電話をしていて

家に着いて落ち着いた途端に

不安に溺れた。

 

参ったときは言葉が繋がらない。

気持ちが溢れているのに

言葉に変換できずに

もう、とか

ううん、とか

ため息になったりして

 

やっと言葉にできた時には涙が溢れる。

 

そのまま聞いてもらえると思って

話した私は馬鹿だった。

 

それはそれとして

私がその時思っていたことは

人生をやり直したいという

誰もが思いつきそうで

決して叶わない願い。

 

無理矢理通ったピアノは

やめる直前になって楽しさを知ってしまった

一曲弾ききって汗をかく事があんなに気持ちよかったと思い出してしまった

歌を習ってみたかった

チューバを続けたらよかった

もっと絵を描けば

もっと勉強すれば

もっと友達と上手く付き合えば

もっと世の中を調べていれば

 

気持ちに流れ込んできたものから

平凡なタラレバの密度を感じた。

 

そしてあとから

今までずっとどこかにあった気持ちが込み上げて来て全てを飲み込む。

 

その正体は 「羨ましい」

 

 

努力結果も才能も、環境も全て

同等に、羨ましいと思ってしまう自分の醜さ

 

誰にでも辛い事があっていいわけがないのに

それを乗り越えた人さえを、

羨ましいと思ってしまった自分に

それはダメだと気付きながら

そう思ってしまった自分の気持ちに飲み込まれた。

 

自分は乗り越えられなかったくせに。

乗り越えられないと自分で認めたときの気持ちを知っているくせに。

 

周りのみんながみんな、羨ましいと思ったし

自分より価値がある、

私が欲しいと思うことが

みんなには手に入れることができるだけの身分にあると思った。

 

その情けなさといったら

醜さといったら

 

 

 

そんなこんなを

飲み込まれ流されるがままの感情を

口から流れ出てきた歪な言葉を

誰かに聞いてもらいたかった。

 

結局は、話の途中で切られ寝られて

その程度だと我に帰る。

そう、その程度だと。

 

言いたかったことはそうゆうことだ。

私はその程度だと泣きながら大声で言うから

それを今聞いて欲しいという我儘の末路だ。

 

私は今、後悔に時間を取られ過ぎている。

 

 

また、同じことをしてしまった。

あのカフェより、このカフェの方が良いと心に誓って通っていたはずなのに

今日の私は間違った。

 

あと30分、暖かいものを飲みながらと思って立ち寄ると

レジは混んで、ホットコーヒーはアイスコーヒーになり、話し声が頭を占領する。

 

あの日これと決めたのに

それがなぜかできない。

あの日こうと考えたのに

なぜか今日だけはと思ってしまう。

 

いつぶりかに出会う苦手なものを

今なら大丈夫と手を伸ばしてしまう。

 

何度同じことを繰り返し

何度小さな後悔を重ねるのか。

 

冷たいコーヒーは飲みきれない

 

 

もう会えない人と話した

もう会わないことにしたと言われて

5日くらい経って

やっと経緯を教えてもらった

 

真っ当な内容で、

会いたいと思う私が間違っている

ずっと間違っていた

 

何度も終わりがあったけど

先延ばして先延ばして

一歩終わりに近づいた。

 

コロナに作られた時間で

どうにか続いてきたけれど

もう全部変わっている。

 

短い

 

短い時間は幸せだった

元に戻る

1人に戻る

 

短い間

会えさえすれば幸せだった

 

残ったものがあるからゼロにはならない

ただ、元々ずっとゼロなのと

もっと上からのここは

どっちが距離があっただろう。

 

なんにせよ

もう、会えない

それだけ。

 

疲れ切った私が疲れを忘れようとやる事は

何もかも出来なくなるまで疲れるようなことばかりで

目を瞑ると重心が少し下に下がる。

 

何ヶ月もはらわたを煮えくり返しても

会って触れたらそれで良い

そう思われて扱われて

私はそれで死を選べない

 

歯車の一つとして回っていて

位置を変えられるのは仕方ない

今までよりも回転数が多くても

回り続けて、私はここから出られない

 

あの時の気持ちを、あの時の考え方を

あの時と同じ場所で、あの時と同じ体が

できないわけない、私がただやらないだけ

 

それでも生きていける

生きていけてしまうから

疲れてたって死にたくたって

生きてて、生きていけて、たまに楽しめさえする

 

知らない事を、知っている範囲で

知らなくても良いことを、知っている世界で

この世界のルールを決めて

ルールを守っていれば、どうってことない

死にはしない

 

 

連絡も会いもせずそのまま生活をしていたら

お互いにもう必要はないのだろうか

いつかまたお互い忘れたら

いや、忘れたって

違う

生きたかった人の不慮の事故が羨ましい

どうせ何も起きない

ただぼんやりと仕事に行くだけ