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寝れずに
ただ天井を見るでも無く見ていると
なんでか悲しくなってくる。
寝たまま泣くのは良いことがない。
涙が溢れて目尻から流れると、
たまにそのまま耳に入ったりする。
その後の涙も一度流れた線を辿るから
どんどん耳に流れていって気持ちが悪い。
耳に入らず枕を濡らすと、冷たい。
そして鼻がつまってくる。
息が苦しくなって悲しみと混ざる。
鼻をすするたびに胸が浮き上がって、
結局鼻をかむために
起き上がらなければいけなくなる。
さっきまで放心で泣いていたのに
肩に力を入れておもいきり鼻水をかんでいる。
はて何故泣いてたんだっけ
でも理由もないから解決しない
さっきまでしっくりきていたポジションはなかなか見当たらず、もぞもぞとつぎに落ち着く格好を探る。
目を瞑ると、あの景色が目の前に浮かぶ。
嫌だと目を開けると、それでもまだ浮かぶ。
目の斜め後ろ、上の方、頭の中に。
自分の部屋とその景色、両方見える。
泣いた理由がわかったかというと、それだけでは手掛かりが少なすぎる。
もしそれだけのことが理由なら、あまりにくだらなく、それがまた悲しくなる。
一人暮らしで窓はすりガラス。
ベッドから月は見れないが、薄いカーテンはうっすら光っている。月は出ている。