思い出して書く。

 

帰り道楽しく電話をしていて

家に着いて落ち着いた途端に

不安に溺れた。

 

参ったときは言葉が繋がらない。

気持ちが溢れているのに

言葉に変換できずに

もう、とか

ううん、とか

ため息になったりして

 

やっと言葉にできた時には涙が溢れる。

 

そのまま聞いてもらえると思って

話した私は馬鹿だった。

 

それはそれとして

私がその時思っていたことは

人生をやり直したいという

誰もが思いつきそうで

決して叶わない願い。

 

無理矢理通ったピアノは

やめる直前になって楽しさを知ってしまった

一曲弾ききって汗をかく事があんなに気持ちよかったと思い出してしまった

歌を習ってみたかった

チューバを続けたらよかった

もっと絵を描けば

もっと勉強すれば

もっと友達と上手く付き合えば

もっと世の中を調べていれば

 

気持ちに流れ込んできたものから

平凡なタラレバの密度を感じた。

 

そしてあとから

今までずっとどこかにあった気持ちが込み上げて来て全てを飲み込む。

 

その正体は 「羨ましい」

 

 

努力結果も才能も、環境も全て

同等に、羨ましいと思ってしまう自分の醜さ

 

誰にでも辛い事があっていいわけがないのに

それを乗り越えた人さえを、

羨ましいと思ってしまった自分に

それはダメだと気付きながら

そう思ってしまった自分の気持ちに飲み込まれた。

 

自分は乗り越えられなかったくせに。

乗り越えられないと自分で認めたときの気持ちを知っているくせに。

 

周りのみんながみんな、羨ましいと思ったし

自分より価値がある、

私が欲しいと思うことが

みんなには手に入れることができるだけの身分にあると思った。

 

その情けなさといったら

醜さといったら

 

 

 

そんなこんなを

飲み込まれ流されるがままの感情を

口から流れ出てきた歪な言葉を

誰かに聞いてもらいたかった。

 

結局は、話の途中で切られ寝られて

その程度だと我に帰る。

そう、その程度だと。

 

言いたかったことはそうゆうことだ。

私はその程度だと泣きながら大声で言うから

それを今聞いて欲しいという我儘の末路だ。

 

私は今、後悔に時間を取られ過ぎている。