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1人で楽しい時間を過ごしていた。
トーク画面でなんでもないような会話をしていたら、ふと嫌な気持ちにさせられた。
相手にとってはどうでもいい事で、ちょっとかまって欲しい出来事だったことは、すぐにわかった。
でも私はそれが、心の底から嫌だった。
もうやめて欲しいと言ったけど、全然伝わらない。
私がどう思ってるかを伝えると、話を逸らされた。
冷静に考えると当たり前なのかもしれない。
何故そこでそんなに機嫌を損ねるのか、相手には、それこそ心の底からわからないのだ。
でもそれ以上に私が嫌な気分になったのは事実で、いつまでもヘラヘラフラフラしていられると、気がおかしくなりそうだった。
自分がされたら嫌な事は人にはしないとよく聞くが、自分がされて平気でも相手にとっては嫌な事だって沢山ある。
何も知らないところで何も知らない人に言われるのはどうだっていい。
わかってもらいたい人からのその態度は、苛立ちと怒りと哀しみともどかしさで、我儘を煮詰めたベトベトな焦げ茶色で、手指の関節のむず痒さだった。
全て涙として溢れてきて、喉を詰まらせる筋肉の動きになって、必死に呼吸をして、おやすみと言った。
モニターから離れなければ。もっと空を見たほうがいい。もっと1人でいたほうがいいと思った。